36.
人間関係をもつと愛着が生じる。愛着の結果、今ここでの苦しみが生じる。愛着から様々な不幸が生じることを観察して、ただ一人で歩むがよい、一角の犀のように。
解説
人は人間関係を通して様々なことを体験します。そしてそれらはすべて自身が全体として完全であることを思い出すために起こります。
自分の中に不足があると設定すれば、その不足を補うような人間関係を求めることになります。自分の中の不足は一時は満たすことができるかもしれませんが、関係性というのは常時変化しています。自分の中の不足を満たしていた条件は必ずなくなります。その条件に執着すると、不足を満たすための人間関係を永遠に求めることになり、それは永遠に満たされないため、永遠に自分の中の不足間に苦しむことになります。
自分の中の不足感を埋めていた人間関係は、真に自分の中にある満足感を思い出すきっかけでしかありません。すべての不足感は、自分自身の中に完全性を見出していないという現れでしかありません。人間関係の中に愛着や不足感を感じる時こそ、自分の完全性を関係性のせいにしてしまっていると知ることです。
人間関係から生じる不足感や愛着はすべて、自分の中の完全性の否定から起こっていると知ることです。すべては自分の心が作っています。
自分の完全性は自分自身の中にあると知るとき、人は完全に一人で歩むことでしょう。そしてそれこそが全てが完全になるときなのです。