信心銘(一)

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『道』に至るのはむずかしいことではない。
ただ分別や選り好みをしないことだ。
ただ憎むとか愛するとかの想いがなければ、
すべてが自然と明瞭になるだろう。

ほんのわずかな分別や僧愛の想いがあれば、
『道』からは天と地のように遠く隔たってしまう。
ありのままの世界を現すためには、
良いとか悪いとかの分別を離れなければならない。

解説

『道』にあることは、本来は簡単なことなのです。
ただ心が作り出した良い悪いなどの判断、意味付けをなくせばよいのです。
ある物事や状態に対して、良いと判断しているのは自分の心、悪いと判断しているのは自分の心、そこにある意味があるとしているのは自分の心なのです。
物事や状況はそれ自身を意味づけしていません。意味付けしているのは自分の心なのです。
意味づけや判断をしている心は、全体と分離しています。全体ではありえないのです。心・判断は、自分と自分を取り巻く世界を分離しているのです。心・判断は自身を一体性・調和から分離しているのです。
心による分別、判断をやめると、そこに一体性・調和が現れるのです。

原文

至道無難 唯嫌揀擇 但莫憎愛 洞然明白
毫釐有差 天地懸隔 欲得現前 莫存順逆

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