信心銘(十三)

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すべてのことが一つのこととして現れてくるならば、動かず落ち着き、状況という客観世界は無くなる。
客観世界のすべてを等しく観ることができるなら、本来の状態に回帰するだろう。
原因や理由というものは消え失せ、比べることもできない。
動を止めるにも動はなく、止を動かすにも止はない。

解説

自と他が本来の一体性と在るとき、自と他の区別はなくなり、そこには自分とか他人とか、自分を取り巻く状況とか、世界と呼ばれるものは消え去ります。
客観世界というのは「自分」というものを作り上げた結果生み出された「自分以外のもの」だからです。「自分」という考えを生み出すことで「自分以外のもの」が生まれます。状況という客観世界も自分というものを生み出した結果なのです。
生み出す自分と生み出された世界が1つのものであるとわかると、その副産物である原因や結果というものがなくなります。自と他の区別がなくなるので、あれとこれなどと比べるものもなくなります。

動というもの静というものは、存在・意識に生み出され映し出されたもの、そのどちらも存在・意識の中に消え去ります。

原文

一如體玄 兀爾忘緣 萬法齊觀 歸復自然
泯其所以 不可方比 止動無動 動止無止

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