9.
先に行き過ぎることもなく、後に遅れることもなく、「一切のものは虚妄である」と知るならば、そのような求道者は、あの世とこの世を行き来する輪廻転生を捨て去る。あたかも蛇が古い皮を脱皮して捨てるように。
解説
自分自身を自分の体と心だと同一視していることが、自分の周囲の世界が現実世界だと思い込む原因になります。
自分の体と心が自分自身ではないと知ると、作り上げられたすべての感覚世界が実体のないものだと分かります。自分の体と心が自分だと思い込むことによって、一切の世界が認識されているのです。
一切のものは、自分というものを設定することから起こる派生物です。自分というものは無く、真の自分(真我)とは、自分というものを設定しているそのもの、意識そのものなのです。
意識そのものである時、自分も世界も幻想であると知るでしょう。