第3節 犀の角
35.
あらゆる生きものに対して危害を加えることなく、あらゆる生きもののいずれをも苦しめることなく生きるものは、自分の子孫が欲しいなどと思うことがあってはならない。いわんや仲間などはいらない。ただ一人で歩むがよい、一角の犀のように。
解説
生まれるとき、死ぬとき、人生の最初と最後を思い浮かべてみましょう。
実は、人はただ一人で世界を歩んでいます。他者や世界というものと関わり様々な体験をしているのですが、それは全て自分の心が作り上げているのです。ただ在るのは自分、自分の心だけなのです。
何かを良いと思うのも自分の心、何かを悪いと思うのも自分の心、仲間がいて満足するのも自分の心、孤独で不満だと思うのも自分の心、全てが自分たった一人が行っている作業なのです。
ただ、自分の心が唯一のものだと知ると、ただ一人で歩むことが全ての世界とつながるでしょう。