スッタニパータ37

37.
仲間や友人に共感し同情することによって、自身の目的を見失い心がとらわれてしまう。友人関係にはこの恐れのあることを観察して、ただ一人で歩むがよい、一角の犀のように。

解説

親しい友人関係の中にいると、自分の中の不足感を見ないでおける状態に置かれます。楽しい時間の中にいるので、特に自分の心の奥底の不足感が見えなくなります。そこから離れた時に必ず自分の中に存在する不足感に気づきます。
その不足感・孤独感の中にあって、自分の中の完全性を見ていないと気づくことが大切です。その孤独感を満たすためにさらに友人との交流を求めることは、自分の中にさらなる不完全性を生みだし、また自分の外に幸せを探そうとする習慣を生み出すでしょう。
親しい友人関係の中で感じる幸せ感の中にこそ、自分が起こしている完全性の否定があります。自分では自覚していない自分自身の否定があります。
自分以外の物事と関係しながら自分の中の完全性に気づくとき、自分以外の物事が全て完全であること、全ては自分の心が生み出していること、一人で歩むということが、実は全てが一緒に歩むことだと気づくでしょう。

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