64.
葉の落ちたパーリチャッタ樹のように、家庭生活者の様々なしるしを捨て去って、袈裟を身にまとい、出家して、ただ一人で歩むがよい、一角の犀のように。
解説
人が自分だと思っているもの、それら全ては自分ではありません。
自分の財産、自分の知識、自分の価値観、自分の名誉、自分の家族、自分の能力、自分の考え、そして、「自分」という概念、さらには、自分がそう考えている他人、状況、世界、それらも単なる自分の概念であり、自分ではありません。
それらは常に変化するエネルギーであるに過ぎません。
変化するエネルギーに囚われることなく在ること。そこに本当の「自分=全て」の世界があります。
世界はただ在る、自分もただ在る。
喜びも苦しみも同じであり、幸も不幸も同じ。
自分も自分以外の世界も同じものなのです。
全ては、ただ生成して、そして消滅していきます。
その生成と消滅は自分であり、自分の意識なのです。
それら全てにこだわらずに、手放し、ただ流れるままに在る。
そうすると、世界が自分で在ると知ることでしょう。