スッタニパータ 66

66.
こころの五つの覆い(欲望、怒り、倦怠、不安、疑い)を断ち切って、そこから付随して起こる煩悩を除き去り、なにものにも頼ることなく、愛着と憎しみの念を断ち切って、ただ一人で歩むがよい、一角の犀のように。

解説

欲望、怒り、傲慢、倦怠、後悔、不安、疑い、このような感情は人の心身を傷つけ弱めることになります。これらは自分の心を乱し、身体の状態を悪くし、日常生活や人間関係にも支障をきたすこともあります。
このような感情は、世界と分離した自我が、自分が作り上げた観念を守ろうとする時に起こります。
自分で作り上げた自己についての観念が本当の自分だと考えてしまうと、一体性の中におらず、自分と他者という分離した観念の中で生きていきます。そして、分離している自我は、常に満たされない状態にいるので、その満たされない状態に反応する観念を生み出します。
一体性から分離している自我は、自分が生み出した観念が絶対的なものだと信じ、それを再現しようとします。それが欲望や怒り、後悔や不安という感情となって表れます。
このような感情が出てきた時には、自我が生み出した観念に囚われていると気づきましょう。それらの観念はすべて自分の心・意識が生み出していると知ることです。
ただただ、自分の中で何が起こっているのかを見つめるとき、すべては意識・心が造り上げていることを知るでしょう。

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