失ってみて初めて物事の有り難さが分かる、と言われます。
失ってしまったものはもう元には戻りません。失った物事からどれだけ自分が恩恵を受けていたのかを知り、戻らないがために悲しみ後悔します。
物事の有り難さを知るために、多くの人が失うという経験をしているようです。
しかし、そんな無駄なことをしなくても良いのです。
今ここ感謝に在り、全てのものを手放すことをすれば、実際に失ったと同じことを経験するのです。
失う前に手放してみましょう。
すると、失わないで済みます。
自分を傷つけるような経験をしなくて済むのです。
あらゆる物事が自分のものではないと、自分から手放すのです。
もちろん、最初は簡単なことから始めます。
まず要らないものを捨てることから始めます。これは簡単です。
次に、自分との関係が密接でないものを手放します。
これは少々自我が抵抗します。
今自分が使っているもの、真に大切なものだけを残します。
しかし、これでも不十分です。
最後には、全てを手放すのです。心の執着を手放すのです。その意識になれば最後に残っているものは、借りているもの、預かっているものという意識があるので、もうすでに感謝の心で接しています。
結局、全てを手放すという意識が、借りているものに対する感謝を導き、本当に大切なものだけが残るのです。
それは、一人の人間かも知れません。
一つのものかも知れません。
一つの地位かも知れません。
一つの考えかも知れません。
あるいは、関わっている全てかも知れません。
それは自分自身の在り方によります。
大切なものが周りに残ることによって、自分の人生自体が大切なものになります。
世界と自分は映し鏡なので、モノに対する感謝が人生の充実感につながるのです。
手放してから、すべては自分の上を流れるものであった、すべては変化する自分であったと気づくでしょう。
そして感謝という経験だけが残るでしょう。
ありがとうございます。