Ardha Chandrasana
アルダ・チャンドゥラアーサナ
半月のポーズ
Half Moon Pose
このポーズは脚と足首の強化に特に効果的。半月を見るには目を細くして、上方に上げている手から上げた足先を通って、床についた手まで結んだ線で半月を描く。
月というのはヨガでは豊かな象徴的な意味がある。例えばハタヨガでは太陽と月は人間の身体を通る2つの両極のエネルギー(陽と陰)を象徴する。実際、ハタという言葉は「ハ」と「タ」という2つの音節に分けられ、秘教的にそれぞれ陽のエネルギーと陰のエネルギーを象徴すると解釈される。
アルダ・チャンドゥラアーサナArdha Chandrasana
- アルダ(ardha) = 半分
- チャンドゥラ(chandra) = 月、光、光輝
- アーサナ(asana) = ポーズ
効果
- 腹、足首、太もも、尻、背中を強化する
- 脚の付け根、ハムストリング、ふくらはぎ、肩、胸、背中をストレッチする。
- 筋肉の協調とバランス感覚を向上させる。
- ストレスを軽減する。
- 消化能力を向上させる。
禁忌
首に問題がある場合は頭を上方に向けないようにすること。まっすぐ前に向け、首の長さを左右均等に保つこと。
- 頭痛、偏頭痛
- 低血圧
- 下痢
- 不眠症
方法
- 右側に「伸びた三角のポーズ」を行なう。左手は腰に当てる。息を吸いながら、右膝を曲げ、左足を右足の方に近づける。同時に右手を右足から少なくとも30センチくらい離して床におく。
- 息を吐きながら、右手と右足をしっかりと床に押しつける。右足をまっすぐに伸ばすと同時に左足を水平に(あるいは水平より少し上に)上げる。上げた左足をかかとまでしっかりと伸ばす。右足をロックしないように気をつける。また内側に向かないようにまっすぐ固定する。
- 胴体の上部を左に回転させる。お尻の左側は少し前に向けておくように。初心者は、左手は腰にあてたまま、頭は前方を見たままにしておく。
- 体重のほとんどを立ち足に持っていく。手はバランスを調節するつもりで、軽く床につく。立ち足の内側のくるぶしを強く上に引き上げる(床からエネルギーを引き上げて足の付け根まで送り込む感覚で)。仙骨と肩甲骨を胴体にしっかり固定し、尾骨を上げた足に向かって伸ばす。
- このポーズを30秒から1分間保つ。それから息を吐きながら、上げている足を下げ、『伸びた三角のポーズ』に戻る。左側にも同じように行う。
作用する部位
- 足首
- ふくらはぎ
- 大腿部
- 膝
- 脚の付け根
- 肩
- 胸
- 背骨
- 腹
治療への応用
- 不安
- 腰痛
- 骨粗鬆症
- 坐骨神経痛
- 疲労
- 便秘
- 胃炎
- 消化不良
- 月経痛
修正と支持
このポーズは初心者にとって、バランスをとるのがとても難しい。壁を使って練習してもよい。
壁を背にして、足の長さほど放れて立つ。息を吐きながら前屈して、『立ったままの前屈のポーズ』になる。息を吸いながら、足を床と平行に上げ、壁にかかとを押しる。つま先は床に向いたまま。息を吐きながら、胴体を左に回転さ、同時に左足を回転させ、足の内側が床と平行になるようにする。左手を腰に当てる。壁につけている足のかかとがバランスを保つのを助ける。
またこの練習は、壁に背を向けて(壁に寄りかかる方法で)行なうこともできる。
変化型
このポーズの難度を高めるには、床についた手を離し、立ち足の太ももに当てる。立ち足だけでバランスを取り、15~30秒行なう。
準備のポーズ
- 合蹠のポーズBaddha Konasana
- 足を広げた前屈のポーズPrasarita Padottanasana
- 上向きの英雄のポーズSupta Virasana
- 上向きの合蹠Supta Baddha Konasana
- 上向きの親指のポーズSupta Padangusthasana
- 立ったままの前屈のポーズUttanasana
- 側面を伸ばすポーズUtthita Parsvottanasana
- 伸ばした横角のポーズUtthita Parsvakonasana
- 英雄のポーズUtthita Trikonasana
- 伸びた三角のポーズVirasana
- 木のポーズVrksasana
後に続くポーズ
この『半月のポーズ』は常に、立って行なう一連のポーズの間に行なうもので、たいてい『三角のポーズ』の後に続く。特別なルールはないが以下のポーズを行なうとよい。
- ひねった三角のポーズParivrtta Trikonasana
- 側面を伸ばすポーズParsvottanasana
- 足を広げた前屈のポーズPrasarita Padottanasana
初心者への助言
初心者は床に手をつくことは難しいので、ブロックを使うとよい。最初にブロックの一番高い部分を使い、バランスが取れるようになったら中間の高さ、そして最後に一番低い部分へと進んでいくのがよい。
ポーズを深める
上級者は、息を吸いながら、上の腕を床に垂直に上げる。肩甲骨を背中に固定します。壁が自分の前にあると想像し、上げている手でこの想像上の壁を押すようにする。バランスが安定したら、ゆっくりと顔を回転し上げた手の方向を見つめるようにする。
パートナーと行なう
パートナーに壁の代わりになってもらうことができる。(右にポーズを行なう場合)
ポーズを行なう人の後ろに立つ。体を少し右側を向け、ポーズ者の頭の方を見る。腰の部分をポーズ者のお尻に当て、左手で上から固定する。ポーズ者が胴体上部を右に回転させるにつれ、押さえている手をゆるめるようにする。パートナーは、右手を使ってポーズ者の右の脇腹を伸ばすこともできる。