老子超訳(第七十七章)

スクリーンショット_2015_05_26_23_59

天の『道』は、弓を引いて矢を的に合わせることに似ていないだろうか。
高すぎれば低くし、
低すぎれば高くし、
弦を引き過ぎればこれを減らし、
弦を引き足りなければこれを足す。
天の『道』はこのように、
余りあるものを減らし、足りないものを補う。

人の道はそうではない。
足りないものをさらに減らして、
余りあるものにさらに与える。
あり余っているほうを減らして、世界の不足しているほうに与えられるのは、誰であろう。
ただ『道』をおさめた人だけだ。

このことから、
『道』をおさめた「聖人」は全てを成し遂げながら自分の力のせいだとはせず、
大きな成果を成しとげても、その栄光に安住せず、
自分の聡明さをひとまえであらわそうとはしない。

 

 

原文

天之道,其猶張弓與。高者抑之,下者舉之;有餘者損之,不足者補之。天之道,損有餘而補不足。人之道則不然,損不足以奉有餘。孰能有餘以奉天下,唯有道者。是以聖人為而不恃,功成而不處,其不欲見賢。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください