信心銘(十二)

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すべてのことに相対的な観念を立ててあれこれと考えることは夢まぼろしで空想でしかないので、無理に努力して捉える必要もない。
得失や是非などの相対観念をすべて、いっぺんに手放すことだ。
眠っていなければ、すべての夢は自然と消え去っていく。
心が一つであれば、すべてのことは一つとして現れる。

解説

自と他、善と悪、良い悪い、すべての相対的な観念は頭で考え出されたもので、それに対して分析したり解釈したりする必要はないのです。自分とか他人とか、良いとか悪いとか、そのようなことを作っているのは心なのです。自分が作っていた観念を手放せば心が映し出していた観念世界が終わります。
世界という観念が終われば、自と他が消え失せ、自然と本来の一体性が現れるでしょう。

原文

夢幻空華 何勞把捉 得失是非 一時放卻
眼若不眠 諸夢自除 心若不異 萬法一如

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